2007-01-01から1年間の記事一覧

今も昔も決して想像がつかない日本映画

早稲田松竹にて、長谷川和彦監督作品特集。特集といっても'76年以来監督作品が2本しかないので、必然的にその2本立てということになる。『青春の殺人者』は何度も見ていたけれど、スクリーンでははじめて。最初に映画館で見たらトラウマになったんじゃないか…

Les Rita Mitsouko

ポーラエックスしかり、汚れた血しかり、レオスカラックスの映画は必ずどこかにネジを大きく抜き落とす場面が待っている。ポンヌフの恋人はそれが最後の方にいくつか訪れるわけで、音楽的にはその最たる局面がラストのリタミツコがかかるシーン。映画の雰囲…

虹の彼方へ

RADIOHEAD.COM | DEAD AIR SPACE 奇跡の新譜リリース。狂乱の先行ダウンロードサービスでサーバがダウン寸前のところを、何度もトライを重ねて個人情報と引き換えに何とか入手。 一度通して聴いた印象では、トムのソロアルバムでの制作プロセスが生かされて…

記憶の底に降りた緞帳

【大野一雄フェスティバル2007】カロリン・カールソン ソロ 「DOUBLE VISION」 会場についての個人的な感慨や、開演前の客誘導のこととか、本編以外のことで書き出すときりがないので、ここはひとつ「料理」の善し悪しだけ。店の雰囲気も含めて判断すべきで…

ドキュメンタリーという名の作為

映画『選挙』 知人の映画と2ホン立てで上映されていたのを見てきた。期待以上の出来。選挙活動の裏側、という素材の新鮮さに加えて、常にそれに対して冷静かつシュールな視点を保ち続けるキャメラと編集のテンポの良さが好感触。上映後のトークショーで拝見…

one OR zero

Private/Public 先日このライブ盤を聞いたときは、生楽器をソースとしてほぼ完全にエレクトロニカルに処理されている印象が強い元の音源を、今度はそれを生音で、しかも複数の人数に割り振って再現させようという試みと、それをさらに音源化する(デジタル化…

blushed-up establishment

pv

battlesの新しいビデオ。使ってるLEDの数もプログラミングに割いてる時間も金も半端じゃない。スタジオかと思ってたら屋外で二度吃驚。

シンプリシティについての一考察

エリ・エリ・レマ・サバクタニ 通常版 [DVD] そもそもがはじめから単純な構造を持ったストーリー。その構造に悪意はない。無邪気な中原昌也の健闘がその中で唯一印象に残る。宮崎あおいはほぼ無演出状態に感じる無印象。浅野はいつもの通り。たむらまさきの…

ALEちがい

日本映画専門チャンネルにて。 青春の殺人者 デラックス版 [DVD] 市原さんの「ねえ、一緒にアレしよ?」前後のシーンは相変わらず鬼気迫りすぎていて、何度見てもヒいてしまう。原田美枝子の演じるヒロインはどこまでが計算でどこまでが天然なのかいまいち描…

ピュリズムからチャンディーガルへ続く流れ

art

MORI ART MUSEUM [ル・コルビュジエ展] 大学生が適当に作ったみたいなこのアートディレクションはナンなのさ。それはともかく、ルコルビジェの建築を再現したCGの正確さをたたえるより、彼(あるいは彼の弟子たち)が遺したマケットの美しさ、精巧さに着目す…

曼荼羅と数式を見せておけばそれでインドなんですかということ

赤煉瓦ホールにて、メディアパフォーマンス「Purushartha ― プルシャルタ ― 」。 インド人ダンサーとの交流の意味、必然性。メディアアート的要素を「交流」作品において主体的に使用することの意味。ダンサーのセレクション。振り付けのレヴェル。手段と目…

アウトドアルックのまんまクラブ行きましたけど、何か?

SOWから都内に戻って、その足で麻布COLORS STUDIOのイベントへ。はじめてのハコだったのだけれど、ラウンジとメインフロアの印象の差に驚き。相当疲れていて、今日ばかりはさすがにかおたんラーメンのことも考えられなくなってたんだけれど、それでもRANDOM …

ライブ見て厠行ってほうとう食ってお湯割り飲んで

プラセンタでイライラ解消する効果 迷いに迷ったあげく、当日の朝なぜか6時に目が覚めたので、これは行ってみるべきかということで行ってきた。行きは電車だったのだけど、帰りは、トリの高木正勝まで見ていたら駅までの路線バスがバッチリ無くなっていて、…

「坊ちゃん」はコミュニケーション不全の引きこもりだったらしい

http://subaru.shueisha.co.jp/html/mandan/mandan.html 「芥川賞作家と稀代の仕掛人が捨て身で送る、"漫談スタイル"の超文学実践講座」北沢タウンホールにて。「虎ノ門」収録明けのいとうせいこうはさすがにちとしんどそうだったけど、それを差し引いても充…

闇すぎてモレシコ

松ヶ根乱射事件 [DVD] 2泊3日でレンタルしたのだけれどなんだかんだで延滞。陰鬱とした空気が漂いまくっているのだけれど、否定出来ない。とにかく新井浩文がカタルシス。

似非風情

新宿四季の道は都電の跡なんですね。それはともかく、連休前の金曜夜にあんな所通るもんじゃありません。たとえば祝日の昼間に森美術館行く方がよっぽどまし。気がついたらル・コルビュジエ展が月曜まで。ICCでは先週末から例のYCAMから来たあれが始まってい…

rental free 3CDs for 3CDs

レンタル屋のカードが更新ということで、特典にものをいわせていろいろ借りてみた。 Good morning NO.9は前に聴いた音源があまり印象に残らなかったのだけれど、これは1曲1曲の静かな起伏が好感触。明々後日のSOS(山中湖)に出演。これ聴いて一瞬行こうかと…

SAGA=物語、神話、伝説

新宿武蔵野館にて。 映画『サッド ヴァケイション』・オフィシャルサイト 北九州サーガ三部作の最終作ということで、前二作の世界の共通項(それぞれのその後の世界)をうまくmixして、そこに新たな要素をいくつか放り込んで一つの作品に仕上げたといった趣…

滞在型映画/移動型映画

最近見たDVD。 夜 [DVD] アントニオーニの「愛の四部作」のうちの一本。絶望的に人間関係を描き出す冷たい演出が印象的。 ワイルド・アット・ハート [DVD] 意外にもストレートな「いい」映画だったので、リンチ映画の捻れまくった世界を予想していた身として…

イキが詰まる

たまには巷の流行りに乗ってみるかー、というわけではないけれど、ブックオフで3巻まで大人買い。現在もヤンサンで連載中で、単行本は4巻まで出ている。 既に映画化も決まっているとのことで、なるほどストーリーはかなりしっかりした骨組み。浦沢直樹の描…

ザムザでノイズ

BABY-Q東野祥子+ミュージシャンズ『E/G』 東野祥子×中原昌也、ザムザ阿佐ヶ谷。本当は昨日の灰野敬二も見たかったのだけれど、わけあって先送り。 映像の使い方は、参考になるような、反芻させられるような、とても奇妙な感覚。しかしあのスピード感とテンポ…

滝×菊

http://www.inlandempire.jp/index_yin.html 2回目、今度は恵比寿ガーデンシネマにて。なんかよくしゃべる人のトークショー付き。そういえばひさしぶりに実物を見た。終始噛み合わないぎこちないカンヴァゼーション、上映前のトークは困るとか言っていて、確…

I ALWAYS HAVE ROOM FOR WHAT I WANT TO REALLY SEE.

ここ数年はほぼご多分に漏れず、長月はたくさん食べこんで蓄えるひと月と相場が決まっている。アリや熊や蛙のような例えだけれど、要は冬を越すためにひたすら摂取、貯蓄活動に専念し、生産活動はほとんど行わない。

CD I bought today

TOWERで「おじいさん先生」のサントラ購入。テレビではエッセンスの役目でしか聞こえてこなかったジングル/サンプルの数々が、CDで聴くとそれぞれにサケロックの空気が漂うトラックとして、聴ける作りになっている。「進化」「半分運動」「三途の川にて」が…

just magazines I bought today

it's been a long time ago since we have had such a huge atack and clash, so we should pretend to go ahead even if we have some more fearness.

救いようのない、されどまた発見もあり

「サッドヴァケーション」公開記念北九州サーガ、3部作オールナイト。に行く予定だったのだけれど、先んじて足を運んだ、某アフターパーティでことのほか時間と酒量をくってしまい、結局「サッドヴァケーション」そのものの上映には間に合わず。「EUREKA」と…

紐育

帝国から脱出した後は西口のヨドバシでipod nano新型の様子を見て(touchは未入荷だった)からBOOK 1stへ。STUDIO VOICEは2ヶ月連続写真特集で、先細りもいいところだよなあと思いながら軽く流し読みして、FIGAROのNY特集と、イタリア特集をしていた別の雑誌…

内なる帝国へ

ふらつきながらもなんとか日々ステップを踏み続けて、夏を越え嵐も過ぎ去り、ようやく帝国にたどり着いてみたら、何のことはない、そこはいままでに見た過去の映画や、小説で捉えたことのある世界の相似形で、ただ違うのは、その世界の沼がいままでにみたも…

台風一過でカラッカゼ

足を運ぶ度に思うのだけれど、新宿伊勢丹のB1Fは、食料品を取り扱う場としてはあまりに洗練されすぎているような気がする。もちろんそれ自体はよいことなのだけれど、それに慣れてしまうと、B2FのBPQCですらなんだか物足りなく感じ始めている自分がいる。BPQ…

もはやどちらが当て馬なのかという話

クロコダイル [日本独自企画盤] 先月末に発売になっていたアンダーワールドのシングル。ジャケを見ても分かるように、「born slippy」でブレイクする以前、「ダブノーベースウィズマイヘッドマン」あたりの雰囲気を作ろうとしていて、そういう意味では新しさ…