救いようのない、されどまた発見もあり

「サッドヴァケーション」公開記念北九州サーガ、3部作オールナイト。に行く予定だったのだけれど、先んじて足を運んだ、某アフターパーティでことのほか時間と酒量をくってしまい、結局「サッドヴァケーション」そのものの上映には間に合わず。「EUREKA」と「Helpless」のみ見てきた。しかし「Helpless」は途中で完全に記憶がぶっ飛んでしまい、気がついたらエンドロールも終わっているという、本当に恥ずかしいていたらく。
ユリイカ―EUREKA
「EUREKA」に関しては、DVDや、あるいはテレビであるとか、そういった別途のメディアではなく、必ずやスクリーンで見る作品である、と心に決めているということもあって、そういったアルコールの血中濃度が非常に高い状況においても、「隣の客がだんだんオチていく」様子も含めて、きわめて冷静に全てを観察することができた。
今回印象に残ったのはやっぱり光石研松重豊塩見三省の渋み、国生さゆりの想像だに出来ない悲壮感。いまさら賛辞を送るまでもないので詳しくは割愛するけれど、ポラを手にする宮崎あおいの目の輝き、絶妙な表情の濃淡は、それこそ後にも先にもない一瞬のもので、それを思うとむしろ切なくもなったりする。
無口な俯瞰が特徴的な田村正毅さんのキャメラや、音楽を特徴的に生かすつくり、あるいは斉藤陽一郎的なポジション=冷めた視点の存在、そういう青山ワールドは、「エリエリ」や、おそらくは新作ともリンクする部分が多い。とりあえず早いうちに新作を見に行きます。