ピュリズムからチャンディーガルへ続く流れ

MORI ART MUSEUM [ル・コルビュジエ展]
大学生が適当に作ったみたいなこのアートディレクションはナンなのさ。それはともかく、ルコルビジェの建築を再現したCGの正確さをたたえるより、彼(あるいは彼の弟子たち)が遺したマケットの美しさ、精巧さに着目するべきだろう。そこにあるだけで人の目を惹きつけるエネルギーを持ったその完成度の高さは、昨今のカリスマ建築家のちょろい模型と較べれば一目瞭然。
しかし彼の遺した建築はそれほど多くなく、建築における先鞭的な思想やイデオロギーを身を呈して建築したと言っても正しいのかもしれない。そういう意味で、いくつかの建築物(教会や修道院、西洋美術館)から実際に読み取れる彼の思想は大切にするべき。