内なる帝国へ


ふらつきながらもなんとか日々ステップを踏み続けて、夏を越え嵐も過ぎ去り、ようやく帝国にたどり着いてみたら、何のことはない、そこはいままでに見た過去の映画や、小説で捉えたことのある世界の相似形で、ただ違うのは、その世界の沼がいままでにみたものより深く、混乱に満ちているということだった。相似形という点では少し安心して見ることができたけれど、途中からその沼の茫洋さにこちらの理解力が少し追いつかなくなって、はなはだ思考停止、呆然とすることもしばしば。
作り手にしてみれば、発想の切れ端をランダムに繋ぎ合わせたり、もしくはあえて放置してそのままにして生かしておいたりしている感じで、これは作品全体のマインドマップみたいなものを書き起こしたら面白いよなーと思って見ていたら、見終わったあと購入したパンフ(写真)には川勝さんデザインの相関図がバッチリ封入されていた。なんだかテレビドラマの人物相関図みたいにきっちりしすぎていた感もあるけれど、パンフ本体の方はすごく丁寧に作りこんであって、情報量も濃いお得な仕上がりだった。