"This is the girl." "Exellent choice Adam,"

マルホランド・ドライブ [DVD]
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ひさびさに通して見たけれど、長さを感じさせない構成はやっぱりお見事。「ブルーベルベット」でも似たようなことを感じたけれど、リンチの作品は話の筋を追うのではなくてその構造をみる方が楽しめるタイプが多く、方法論先行のアプローチという意味ではゴダールやアントニオーニ、フィリップ・ガレルの立ち位置に近いのかもしれない。
基本的にリンチの場合は、難解な数学の方程式を解いてみせて「ほら、この解き方って綺麗でしょ?」って心の中で叫んでる数学者みたいな心境で作ってるに違いない。だから、見る側とすれば、A=Bという構造の両辺それぞれの美しさ自体を楽しむのはもちろんのこと、両者を繋ぐパイプラインの位置や、繋がった結果が何を意味しているのかを考えるのがさらに面白いということになる。