脳科学者と自称女優では紐解ききれない建築家の歴史

シリーズNIPPONの巨人「丹下健三 いにしえから天へ地平へ」
プレスリリース
昨日の深夜にNHKのBShiでやってた丹下さんのドキュメンタリー。番組としてはとてもわかりやすくできていたのですが、男性/女性ともにナレーションが気になったのと(半端な職業病に近い昨今)、丹下さんの建築を訪ねてまわっていたナビゲーターの人選(脳科学者と、建築学科卒の自称女優Kさん)がちょっと腑に落ちなかったりしました。プレスリリースでは「脳科学者が読み解く」というサブタイトルなのですが、実際の本編は、自称女優さんが全編にわたって幅を利かせていて、なんというか美しさも役得にしてしまうのは人生を渡り歩く上でのテクニックなのかな、なんて、それは後からふと考えたことですけれど。
広島平和記念資料館広島平和記念公園香川県庁舎(現・東館)、東京オリンピック国立屋内総合競技場(代々木体育館)、そして東京カテドラル聖マリア大聖堂という彼の主要な作品がメインに取り上げられ、そのなかで、彼が戦中・戦後を自ら体験したことで培った哲学や理想が自らの建築観に反映されたということが大変よく理解できました。個人的に丹下さんの作品で印象的なのはなんといっても地元の横浜美術館なのですが、都心のフジテレビ新社屋や、新都庁舎、それから代々木の体育館のカーヴがなんといっても美しいですよね。あの屋根に乗ってるKIKIさんの姿を見てどうして役得ではないといえましょうか。けなしてませんけどね。ハニカムのblog(おもしろい)読んでますけどねー。