ズレっぱなしぱなし

        
「3mmくらいズレてる部屋」
http://www.kanazawa21.jp/theater21/2006/strangekinoko/strangekinoko.html
21世紀美術館・シアター21にて。よせばいいのに金沢好きで珍しいキノコと聞けば(といいつつ一見だったのですが)これは行かずにおれまいということで1泊2日の強行スケジュールをこなして参りました。毎度同じみの東山で手拭を自分への土産に買い納め、飴屋を眺めるヒマすらないくらいの分刻み行動で、全国各地のアテンダンドの方々のご苦労をなぜか慮ったりしつつ、行く度に足を運んでいた昔ながらの喫茶店ポプラに変わっていて激しくショックを受けたりしました。今回は兼六園をスルーして美術館の展示を一通りチェックしたのですが、なんだか創意工夫のかけらも見られない展示で(エラそうですが)この先大丈夫かな…と心配になったり。素敵な器ができても肝心の料理が美味でなければ本末転倒ということになりかねません。確かに毎回リヒターやマシューバーニー級を呼べないのは分かりますが…かといって、地域と密着と言っても、密着するだけの文化があるのかどうか果たして疑問です*1
肝心のキノコはどのくらいズレてたかといいますと、空間でのズレ具合をオブジェクトにある程度具現化させたことで舞台美術や演出が多少満足してしまい、ズレるというテーマに対して挑戦的に「動いて」いくことがさほど無かったような印象を受けました。しかし目の前で見る彼女達の動きが、今後どのようにして「完成されたズレ」(というのがどういう定義なのかすごく難しいけれど)そこに向かっていくのかは楽しみだなあという感じのズレ具合でした。

*1:昨年まで続いていた、市中心部に点在するギャラリーを中心とした企画展が今年はチャリティイベントに退化していてちょっと残念でした。東京みたいに助成金出してくれる自治体や企業がわんさかいるわけでもないのでしょうけれど。地方と中心部とのギャップをひしひしと感じてしまいました