消えていく"downtown"

明治通りを渡って表参道をゆっくり上っていくと、左手にはもうほとんど出来上がった塀のような分厚い壁がせせり立っています。壁の中は牢屋のように細かく区切られていて、中の様子が外からガラス越しに見えるようになっています。牢屋の中では、なにやらディスプレイの用意がしていたり、名前を壁に掲げているところも既にあったりしたので、どうやらあの牢屋の中で商売を始める気なのでしょう。アパートを復元したとおぼしき部分も見受けられましたが、壁のほぼ9割はいわゆる「店」、それも自分には余り縁がなさそうな類です。それはそれで別によいのですが、建物の外見がほとんど完成しているにもかかわらず、作りや構造にほとんど魅力が感じられず、大丈夫かよヒルズ。と言いたくなりました(ここが六本木昼図との違いです)。
NaDiffでは森村泰昌展、ワタリウムミュージアムショップを見てからGallery 360°のフルクサス番外展を見て感心(番外展って?とか思いつつ)、ROCKET跡地手前の家具屋さん物色してから青ブック本店へ。ジョンレノンの展示を見たりしてそのあとかなりの時間滞在。結局目がいくのは大判の写真集とか、フライヤー集とか、進歩が無い自分をたしなめながら、書籍1点、手帳1点購入。
そういえば思い出して検索してみたらROCKETは今年の5/22でクローズしてました。sputnikも(移転のため)閉店してから結構たちますが、あの界隈はやっぱり店舗を構えてやっていくのは大変なんでしょう、確実に。紀伊国屋といい、そして(あそこはまたいろいろ別の事情が絡んでいそうですが)マニアックの件といい、青山/表参道から文化を育む下地、素養が確実に間引きされているような気がします。テレビで騒がれてるエチカにはちょこっと行ってみましたが、結局あれは「表参道」のなにかを反映しているのか、というところまで自分がまだ掴みきれていないのか、そもそもそこまでの意図なんて初めからないのか、あったとしても自分にはあまりにも遠すぎて見えなかったり匂わなかったりする類のものなのか、いずれにしてもそんなペチカだかペチコートだかよくわからんものなんてあまり深く関わるのは御免蒙りたいものです。