『ミツバチのささやき』

ミツバチのささやき / エル・スール ボーナス・ディスク付き スペシャルボックス


ミツバチのささやき

数年前に一度見ているはずなのに、今回はもう、苗場フジロックで身体が自然とステビアを一日5,6本欲するのと同じくらいの滑らかさで身体に吸収されていった。
とにかく、少女アナの美しさでこの映画を語ることはむしろ愚行に近いだろう。極端なまでに抑えられた「語り部」、しかしその一方での美しい情景と少女たちの目がその感情と"風景"を描写して止まない。物語を綴るのに最低限必要な要素、最も必要な要素だけは全て押さえたある意味"映画たるべき映画"、というと少し賞賛しすぎかもしれないが、間違いなく傑作の域に入る作品である。

一コマ一コマがポストカードに切り取れるほど美しい。線路のシーン、アナがイザベルの胸に耳を当てるカット、こだわりのある画作りはやはり必要不可欠ということである。もちろん物語の存在が前提ではあるが。