それにつけてもゴダイゴはずるい

HOUSE [DVD]
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日本映画専門チャンネルにチャンネルをあわせたら、どういう経緯かよくわからないけれど、浴衣を着た佐伯日菜子が「小学校5年のときにうちに帰ったらこれをやっててすごくびっくりした」と話していた。こちらとしてはそんなあなたのお目玉が飛び出てびっくりしないか心配ですよ、と思っていたらそのあと引き続いて本編がはじまったので、夏のひと涼みをいただきますかー、程度に見始めてみたら、まるでそういう類のものではなく、逆に体感温度が3度くらい上がってしまった。
ホラーの看板は掲げているけれど、その手の緊張感は本編中ほとんど皆無に等しく、むしろそれとは対極のスリリングさや、コミカルさ、シュールささえ感じさせる演出が随所に見受けられる。CM屋さん上がりの第一作目ということで、持てる映像技術をふんだんに駆使し、書割りも思い切って使うなどして、テンポの良さと鮮やかな色彩で映画の概念に一石を投じた作品。これをあの大林宣彦監督が撮ったとはにわかには信じがたい。「下妻物語」とか、見てないけど「嫌われ松子」とか、2,30年経ったらこの映画みたいに『新しい映画のひとつ』として見れるのかもしれないということを考えたりもする。
小林亜星の音楽もよかったんだけれど、助監で小栗康平さんが入ってるのをエンドロールで発見。同じ小津チルドレンとはいえ、どんな気持ちで撮ってたんだろう、とか。