The Star Spangled Banner

大学のときに受けた授業に「現代文化論」というのがあって、その授業はアメリカの'50年代から'70年代にかけてのサブカルチャーを主な題材に、映画、音楽から社会現象に至るまで、トピックを毎週とっかえひっかえながらとにかく重箱をつついて洗いざらいするものだった。「カッコーの巣の上で」、「イージーライダー」、ロボトミー、ヒッピー、スティーブ・ライヒなどなど、とにかく毎週かなりの情報量があって、ほとんど何も知らなかった自分は当時非常にためになった記憶がある。
ディレクターズカット ウッドストック 愛と平和と音楽の3日間 [DVD]
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この映画はその授業のなかではじめて目にしたのだけれど、暗くなった教室で最初に目にしたのは、雨が降ってきて、客がなぜか会場内の鉄塔に登っていて主催者のいうことを全く聞かない場面。このシーンにこそ、この映画の持つ重要性があって、'60年代までとは異なる独自の「大衆性」が獲得された象徴なのだ、というようなことがそのとき説明されていた記憶がある。
    
ちなみにその授業ではそのあとジミヘンの超有名な国歌シーンも見たけどなぜか特に感慨はなく、むしろ先に見た「タワーから離れろー」のインパクトの方が大きかった。