屋上でホタルを牛乳瓶から取り出す瞬間の気持ち

茶の味 グッドテイスト・エディション [DVD]
この映画自体はあまり受け入れられないということは前に書いたのですが、好きなシーン自体は作品中にけっこうあったりして、たとえば駄菓子屋の動かない婆さんとか、スタッフの浮気を密告する漫画家とか、森山開次とかで、その最たる場面が、浅野忠信が昔フラれた元カノに会いにいくシーン。元カノ役は中島朋子さんで、そのシーンは唯一、シチュエーションだけ与えてあとは役者まかせという感じの撮り方。「ぎこちなさ」をひたすら弛緩させてみせる、ただそれだけの場面なのですが、とにかく中島さんの演技力、二人の駆け引きに引き込まれます。中島さんの芝居にきちんと拮抗している浅野の役者ぢからにも、いまさら納得。たぶん映像ごしに見ているからまだいいけれど、これを舞台とか、実際に目の前でみせられたらたまったものではないのだろうなあとも思います。
ところでちょっと前まで野沢尚脚本の「氷の世界」(竹野内/松嶋主演)をCSで再放送していて、それに中島さんが出ていたのですが、こちらでも存在感をかなり感じさせる役柄でした。