春二番が吹き荒れてます

最近見た映画を何本か。
運命じゃない人 [DVD]
運命じゃない人 [DVD]
それにしてもこのDVDジャケはいまひとつだなあ。先週の深夜に民放でやっていたのですが、脚本がすごくしっかりしていて、構造としては、小さな物語=多面体をいくつかの方向からデッサンしてみせて、それを時間軸に関係なく見せていくことで、あえてパラレルな感覚を見る側におこさせつつ、より物語の立体感を増幅させようと言う狙い。公開当時は旧ユーロスペースでした。
http://d.hatena.ne.jp/tatanka/20050803#p2
残念ながら、映像的にはあまり見るべきところが無くて、役者も演技力はあるのですが、全体的に渋めなキャスト。吹越満さんみたいな主役の人と、ムラジュンみたいな準主役の人と、哀川翔さんになりきれてない半端な感じのヤクザさん、伊藤歩みたいなヒロイン役の女優さん(影のある感じが妙に印象的)、それと、板谷由夏さんみたいな板谷由夏さん(板谷さんだけ本物、という)。なんでこのタイミングで地上波オンエア?と思ったのですが、板谷さんの結婚祝いとかでしょうか。深読みし過ぎ?板谷さんにせよ、夏川結衣さんにせよ、その辺りのお芝居上手系女優さんがもっとクロースアップされていったらいいなというのが私見です。
茶の味 グッドテイスト・エディション [DVD]
日本映画に欠けているのは「ユーモア」のセンスで、誤解されているのは「娯楽」のエッセンス、というのは別に映画に限ったことではなくて日本文化全体に言えることかもしれないのですが、この映画は「ユーモア」を「癒し」と混同してしまっていて、それを「娯楽」と受け止められた人間だけが理解できる、なんだかパラドックスに自ら絡めとられているような気がして途中で気分が悪くなりました。
どの映画にも必ず存在する「くすりと笑えるシーン=息抜きのためのシーン」のみを集めて一本の映画にしようとしているのかと思いきや、恐ろしく乱暴な俯瞰のカットを乱発してみたり、延々と長回しのカットが続いてみたり、つまりどういうポリシーで作品を成り立たせようとしているのかがよくわからなくて、緩く笑わせたいだけならもちろんその試みは成功していたのかもしれませんが、個人的にはそれにしたってリズムがなさ過ぎました。
ジュ・テーム・モワ・ノン・プリュ [DVD]
ジュ・テーム・モワ・ノン・プリュ [DVD]
10年くらい前にはじめてVHSで見たときは黄色いジャケットだったのですが、DVDはこんなにオサレーなパッケージなのですね。と言いつつシネフィルイマジカで見ました。まあなんというか、いまさらあれこれいうこともない作品ですが、ジェーンバーキン美しいのですよね。ほんとに。自分がキャメラだったら見とれてしまって仕事になりません。割り切りが重要ですね