紅三ぴっと

上村なおかX『New Horizon』
全然関係ない話になるのだけれど、これを見る何日か前に、自分の写真を他人に見て批評してもらう機会があって、そのときにその人(仮に写真家の人ということにします)が言っていたのは、「その写真にはその人がどういう人なのかが写る」ということ。文字にしてしまうとよく聞く言葉のような感じがしますが、「写真」のところを「作品」に置き換えてあげると、他のどんな表現であっても、それは少なからずその人自身を映し出す、あぶり出している部分があるわけで、それをどれだけ意識するか、意識してそれを切り捨てるのか/生かすのかという行為が重要なのかなと、そんなことを、上村さんの踊りを見ながら考えていました。
ダンスという表現で、特にソロの場合、踊り手さん自身の感性や技術が如実に空間ににじみ出る傾向があるような気がします。今回は、とにかく孤独で孤立無援、寂しく、空しく、冷たく、先が見えない。そんなイメージしか伝わってこなく、途中から見ていてちょっとつらくなってしまいました。こちらの見る目の力量不足、あるいはメンタル的にそのような作品を求めていなかったという面もありますが、それにしても、カーテンコールのしなやかで、リラックスしていた動きが一番印象に残ったのは私だけでしょうか。