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シャイニング 特別版 [DVD]
シャイニング 特別版 [DVD]
この間「フルメタル・ジャケット [DVD]」のことを書いたときにも少し触れたのですが、今日もムービープラス 映画専門チャンネルでジャックニコルソンが暴れていました。旦那はどんどんおかしくなっていくし、奥さんは奥さんで不自然なくらいに怯えまくってるし、夫婦が互いを「気が狂ったか?」とか言い合ったり、勘ぐったり、冷静という感覚の基準値が作品の中で恣意的にどんどん乱されていく状況が、つまるところダニーの「REDRUM」に集約されているのかなとか思いながら見てたりしています。
黒人さん(管理人)が最後にアパートに乗り込んで殺されてしまうところとか、のったりとした動きのステディカムとか、なんとなく「エレファント」を思い出しますが、「エレファント」の場合黒人の人は最後ちょろっと出てきたと思ったらすぐ殺られますし、ステディカムも「シャイニング」の方は断然ねちねちっとした動きであるのに対して、「エレファント」の方は意図的に滑らかな動きです。狂気の描き方というか含ませ具合というか、そのあたりの差なのでしょう。

会う人会う人皆に話して回っているような気がするのでここに今更書くのもどうかと思いますが、バーにある真っ赤なトイレがほんとに美しくて、あとは子役のダニーがおもちゃのカートで家の中を走り回っているシーン、その2つが純粋に絵として美しいです。どのカットも基本的にシンメトリーとアシンメトリーを徹底的に意識した構図で、クーブリックの作品はいつもそうですが、この映画は特にそれが際立っています。

あとまあ蛇足ですが、TVで見ているとやっぱりどうしても大事なところでモザイクというかそういうものが入ってくるシーンが1箇所あります。結局それは「美しいもの」のカットとして存在して、その対比として次に腐敗した女のカットが入る訳ですから、見ていて何か釈然としない、カタルシスを得にくいシーンになってしまうなと。

しかしこの映画の陰のクライマックスは、奥さんがジャックニコルソンをバットで殴り倒してしまうところじゃないかと思うのは、やっぱり男性から見た視点なんでしょうか。

英語で「よく学び、よく遊べ」を"All work and no play makes Jack a dull boy."って言うらしいんだけど、あの原稿用紙の山には確かに"dull dog"って書いてあったなあ。どういうヒネリになるんでしょう。そのままひねればいいのか…*1

*1:って思ったらやっぱり""boy""ってタイプしてました。ただの見間違いでした(12/28)