舞台と音楽も蜜月だあなあ

Penguin Cafe Orchestra
Penguin Cafe Orchestra
4曲めをはじめに聴いたとき「最近なにかのお芝居で使ってたなあ」と思った自分がなんだか情けなくて、というのも、聴き進めていくうちにとある劇団の解散公演で何曲かが使われていたのを思い出したからです。その公演には映像スタッフで毎日小屋入りしていたわけで、なんというか自らを恥じるというのはこのことですが、それはとにかく、お芝居のラストで使われた前述の4曲め「Cutting Branches for a Temporary Shelter」にいたっては、幾許かの感傷を抜きにしては聴くことができません。楽日の最後、暗転した瞬間の言葉にできない感情(なんといっても劇団が解散な訳ですから)、それ自体がこの曲に密封されていて、聴くたびにオルガンの音色と一緒に何かがちろちろ溶け出してくるような気がして息苦しかったりします。
アルバム自体は機知に富んでいて聴き所満載なのですが、なんというかさすがに感情のぶれが入り込んでしまって、というか正しくは刷り込みの功罪というべきなのでしょう。