夢見がちなviola


映像を構成している一コマ一コマに対する執着という点でみるなら、彼の近作である「ラフト/漂流」やクライマックスの「ミレニアムの5天使」より、それら以前に制作された「パッション」「グリーティング」などの作品群が印象的でした。超スローモーションで変化する人間の表情や動き、連綿と続く歴史の一部を人体の一部で表象するような作品の数々を見ていて否応無しに連想させられたのは、静止画と動画の絶妙なコントラストで静寂を表現していた『ラ・ジュテ [DVD]』でした。「はつゆめ」などまだ未見ですが、展示に関して言うなら、ストイックであってもひたすら方法論に徹してくれた方が良かった方が気がします。