日本中の映画館で割腹

映画『太陽』オフィシャルブック
銀座シネパトスにて鑑賞。ふと、某政治家宅に赴くのと、この映画がかかる劇場にいちいち足を運んで事を成すのと、いったいどんな差があるんだろう…とかどうでもいいことを思いついたのですが、それはともかく、この作品について批評したり感想を述べたりすることは個人的な立場からも(大学の卒業論文昭和天皇を主に取りあげた)現在のこの国の状況からもなかなか軽々しく口を開くことは難しい状況で、ただひとつだけ、よくぞ日本で公開にこぎつけてくれました、と配給会社各位をねぎらってあげたい気持ちで一杯です。イッセー尾形の絶妙な名演技を思い起こすだけでまた劇場に足を運びたくなるのも事実ですが、個人的には桃井かおりがそれを帳消しにして余りある芝居だったような気がします。日本の場合は皇后の方が史料が少ないからなかなか難しいですけど。
観賞後にオフィシャルブックを購入して帰ったのですが、コラムやインタビューの顔ぶれがなんというかやはりサブカル/アングラのかほりがちらほら漂っていて(宮台、椹木、森達也足立正生)、結局そういう類の映画の1本にされてしまうのかなー、と思うと少し悲しい気分にもなります。正統派の歴史学者たち(原武史半藤一利保阪正康、吉田裕…)がこれを見てどういう風に考えたり思ったりしているかを知りたいのが本当のところなのですが。