スカートもぐりが伝統らしい

ブリキの太鼓 [DVD]
ブリキの太鼓 [DVD]
主人公のオスカルが3歳のときに階段から落ちて成長を止めて、10数年経ったのち、母の埋葬の際に墓に身を投げて再び成長し始めるという、ポリティックな思想やメッセージをきれいに濾しとれるとすればそのような筋書きのお話です。その筋書きがギターだとすれば、母親の美しき乱痴気ぶりがベースライン、戦争に対する純然たる決意表明がボーカル、ときおりクラッシュ音のように町中のガラスや街灯が割れる音が入り、そしてそれらをとりまとめるドラムのリズムを奏でるのが、不器用にならされる"ブリキの太鼓"のリズムです。ナチスの集会のシーンで、マーチを演奏する楽隊のリズムがオスカルのドラムによって徐々に乱されていくところがなんだか滑稽です。こういった作品がたとえばドイツではどのように捉えられているのかもちょっと気になったりします。