ナンサ@テアトルタイムズスクエア


http://www.tenku-nansaa.com/
新作としては今年最初に銀座で見た「ナンサ(原題 the cave of the yellow dog)」を新宿高島屋の上の方の映画館にて再度鑑賞。このテアトルは初めて来たのですが、予想外に規模が大きく、スクリーンも大きければ客席の傾斜はややきつめ、音声は5.1ch、天井は10mに達しようかというなかなかよい環境でした。
あらためて見ても、モンゴルの風景、犬、山羊、子供達の天真爛漫さ、それらが自然と伝わってくるのは、「カメラを被写体に意識させない」というドキュメンタリーにおけるセオリーみたいなものを監督やスタッフがきちんと心得ているからこそなんだろうと思いました。そしてなにより、この家族(と犬)を選んだキャスティング力が素晴らしいです。彼らをチョイスし、そこから彼らとともに生活をともにし、徐々になれてきたところで撮影を始める。キャスティングからさかのぼって、ポスプロまで考えたら、まるで気の遠くなるような作業です。監督のインタビューなどをパンフやwebで読んだりしながら、「そのままであること」を見せることこそ、なによりも困難で、労苦を伴うものなんだなと実感した次第です。