赤灯台

月曜日のユカ [DVD]
月曜日のユカ [DVD]
この手の映画は、学生時代におおかた見ていた/あるいは見ているべき類の映画(『気狂い』『ジュテーム』『黒十』『イージーライダー』『ポリーマグー』『欲望』『ZAZIE』などなど枚挙に暇が無い"オシャレ系"映画。ポスターがお洒落っ子のおうちに貼ってあるようなやつ)のうちの一本なのですが、なぜか今まで未見でした。いうまでもなく加賀様様ということであがめ奉れば感想は終わってしまって、つけくわえるなら生まれ育った横浜が舞台だったということで気楽に見れたと言うことくらいですか。
で、もうちょっと突っ込んでみると、スチール的な視点を持った方が脚本の片棒を担いでらっしゃるということが、静止画的な構図とちょっと強引とも言えるカット割りにうかがえました。もうひとりの脚本は"北の国から"の方ということで、離陸も着陸も非常にソフトな感じで、風景も自然に見せていく脚本でした(自然派)。音楽は「題名の無い音楽会」の黛氏でした。オープニングのタイトルから本編に入るところが(映像的にも)ステキでした。とかなんだかんだいっても結局はミューズありきの似非ヌーベルバーグなんじゃないかなと
加賀さんが「"どう"加賀まりことして"どう"ユカを演じているのか」について考えるのに夢中になっていたので"捩り鉢巻き"中尾彬の演技にはあまり気が向きませんでした。役者さんは何処からが"素"でどこまでが"役"なのかということを、ただ単純に今までのイメージが覆されただけなのですが少し考えさせられます。"可憐"であるということをどの程度意識的に演じていたのか、そしてそれが今全く演技出来なくなっている(あるいは演技しなくなっている)彼女の現状、そういったことを考えたときにこの作品を純粋に見ることは出来なくなります。それは加賀まりこを演じることをどこかの時点でやめたということなのか、それとも単に「ユカ」をやめただけなのか、彼女自身にとってももしかしたら混在して分からないことなのかもしれません。