『3年2組』@吉祥寺シアター

じりじりと暑さの照り返すアスファルトの細い路面を歩いていくと、背の低く平べったい建物が見えてきて、1Fはこじゃれたオープンカフェ。どないなもんやろ(別にいいんだけどさ)と思いつつ中に入ってみると、神楽坂die_pratzを一回り大きくしたくらいの大きさで、立て込みとかはとてもスムーズに出来そうな良いハコだなと思いましたが、いかんせん椅子の座り心地がいまいちでした。お客さんの立場は大事にしてほしいですね。
内容は、指輪の女優さんの「ちょっとしゃべりすぎちゃった」で終わる長ゼリが本当に不要だったように思われて、でもあの場面でどうしても吐露させずにはいられなかった作・演出の心情も分からなくはないので、微妙なところです。アフタートークでは「わかりやすいかどうか」とか、「セリフが聞き取りづらくて云々」だとか、挙げ句の果てには「これはダンスか演劇か」なんていう議論もありました正直そんなのは不毛だと思いました。遊園地再生事業団の宮沢さんの「近代劇において”役”なんてそもそも存在しない」なんていう含蓄のあるお言葉もありましたが、その一方で、ヤナイハラさんは演劇に対する姿勢がちょっとあいまいだなあと、役者にセリフを与えている時点でその役者は自分という個性を離れてある「役」を演じているのに、「役者の素の部分を見たかった」というのは逃げ口上に他ならないと思いました。まあでもそういうあんなこんなひっくるめて「新しい未来」だって言われてしまわれれば確かにそうなんですよね。ずいぶん薄暗い未来ですけど。