蒼めの2本

『SNAKE OF JUNE』
六月の蛇 初回限定版 [DVD]
日本映画専門チャンネル。最初の15分見逃したのですが、塚本映画の真骨頂を見たような気がしました。『双生児』〜『ファタール』に至るメジャー路線とは別に、こういったストイックで非商業主義的な作品づくりも今後進めていってもらいたいと思います。
『beyond the sea』

旅行先で余った時間に飛び込んだ映画館で、たまたまかかっていた一本。にしてはこれ、出来過ぎでした。よくよく思い出してみればこれ、けっこう評判よかった作品ですよね。それが地方の映画館を回っているところに運良く巡り会ったという訳で、こういう良い作品は早めに都心で拾っておきたいですよね。ケビンスペイシーはあんなに歌って踊れてメガホンもとれる多彩なお方だったということを新たに認識しました。

あまり関係ないのですが、最近見た映画にミュージカル系で妙に当たりが多いなあ、と感じます(単にタイミングの問題として)。自分の中の「ミュージカル映画」はかなり特殊な部門で、『ダンサーインザダーク』ですら5本の指に入らない。『ヘドヴィグ』はその一つ下。といった感じでかなり厳密にランキングされているのですが(かといっていまさら『ロシュフォール』と『シェルブール』の内容とかまでは厳密に覚えていないのだけど)、『beyond the sea』はどの辺りでしょうか。ミュージカル映画のシステムをメタ構造でくるんで、現代のミュージカル映画とは斯くありなん?という問いかけを果たしているところが非常に興味深く、結構いいところに入ってくると思いますが、それでも『ヘドヴィグ』と同じかちょい上くらい、ということでミュージカル部門6位くらいでしょうか(何だこの批評家くずれのエッセイストみたいな文章は)。