『electrical storm』U2

最新作の(例のシルエットになりそうでなってないコントラスト落としまくりのボノが商業主義に取り込まれながら歌うあれ、それとPVはまあ可もなく不可もなしな感じです)ではなく、1年前くらいに出たベスト盤に新録された曲のビデオ。当時は映像の美しさが目を引き、ディレクターがアントン・コービンだということまでは調べたのですが、まさか人魚役がサマンサ・モートンだということまでは気がつきませんでした。ラリー・ミューレンはハリウッド女優と共演してたわけですねえ。バンドにいるとそりゃいいこともあります。

アントン・コービンNIRVANAの『heart shaped box』(現在、なにがし事変というバンドを組んでらっしゃるかたのソロ時代の曲に『罪と罰』というのがありまして、その曲のビデオの元ネタがこれ)もディレクションしていますが、何となく納得させられます。というのも、写真的な切り口を保ちながら、決して「キリヤ的」なざく切りぶつ切りの心地悪さには陥らないのがこの人の才能といえるわけで、モンタージュのセンスをこの人は何となく兼ね備えていると思います。アーティストの写真家やツアーブックを普段からよく撮っているというのも多分に関係があるのでしょう。むしろそちらが本業なわけで。