ukmr vol.2@uplink factory

待ちに待った菊地×佐々木対談、&ソロライブ。ファクトリーに来るのも何年ぶりでしょうか。当日券入場のお客さん処理で若干開演が押したりしているその立ち見客の中に、HEADZ西山さん発見。そうかHEADZのイベントだもんなー。帰り際「来月もよろしくお願いします」って12/01のことのつもりで言ったんだけど意味通じたかしら。
15分くらい遅れて菊地氏が登場、まずはライブから。予想とは違って非常に官能的な、いい意味で眠気を誘うアンビエント、チルなエディット・ジャズに大変夢見心地の約1hでした。幻想を誘うようで違う世界に行くようで、そういえばこういう微妙なラインを最近体験してないなーと。白昼夢的、というべきなんでしょうか。とか思いつつ聴いていました。
佐々木氏とのトーク。基本的に目下制作中のソロ・アルバムについてのエディット方法論(非常に興味深かった)*1、話が広がっていきセッションの定義、のようなことまで話していた*2。あとはお約束のスパンクスやらデートコースやら、パクリ、ゴーストライター(プレイヤー)の話、来年の映像音楽の話、小説の話(ブルータスの編集者が着物で?)、とか、それはもういろいろ聴けて大満足でした。まあ大体の細かい話は余所で流出するかとは思います。(「小説家なんて自殺する人間のする仕事だ」という菊地に)「小説の仕事をやろうとしないのは、一人で出来る仕事に陥ってしまうことをおそれてしまうからじゃないですかね」といった佐々木氏は真の批評家ですね。人間の人となりまで解剖してしまう。恐ろしや。
話の途中、菊地氏がデレク・ベイリーとかそっち方面のネタを(かなり無理して)振ってみるんだけど、佐々木氏は見透かしてるのかなかなか食いついてこない。しょうがないから菊地氏はマイルスとかビバップカンザス・スタイル、モダン・ジャズとか自分の持ちネタ?で持論展開するけどそれはそれで受け流されるもんだからどうにも歯切れが悪い。ほとんど年一緒じゃん!とかお互い言いつつ、歩んできた道や今いる立ち位置は全然違うところにあって興味深かったです。
ところで、一番最後の「奥田tmoがパクリをしまくっていることについてどう思いますか」という客からの質問は何だったんでしょう。「ほんっとにどーでもいい」という菊地氏の答えにつきますが。

*1:負荷を減らすための現在の手法=個別録音した後のエディット:作曲が、結局は作曲行為に許されることをはじめから狭めている、ということに対して、自分一人で出来る作曲数=ヴァリエには限界があり、それ以上の可能性を考えたときに現在の手法を取り入れ始めたということでした。

*2:未知の相手との場合、あるいは既知の相手で既にその相手がどのように演奏するかが自分のメモリーに蓄積されている場合、果たしてそれはセッションなのかどうか、など。