『リア』(指輪ホテル)@EX'REALM

結論、作品の完成度としては確かにもっと高められたのかもしれない。ストーリーとして一つの流れがあったかというと後半やや乱れが生じていたのが少し残念。(むしろわざと切ったのか?)ただ、節々に見られる大きな衝動、躍動、インパクト(今回まるで"関ヶ原"のように見えた瞬間もあり)、それはもはや役者だけではなく舞台や音楽をも飲み込んだ大きな「かたち」となって観る側に覆い被さってくる。指輪の舞台は、いろいろな意味でいつも「目をそらしたくなるもの」が提示されるのだが、それは確信犯的な行為の結果ではなく、純粋な表現の末端がただ単にグロテスクであったり、エロチシズムであったり、フェミニズムであったり、そういった類のものなのだ。そこまで自分の表現行為を突き詰めることが出来ているかどうか…作り手としてそこに思い至ったとき、作品に対する彼女たち(あるいはスタッフも含めて)の姿勢には本当に頭の下がる思いがした。終演後、真っ先にU氏に挨拶、ほとんど詫びるように賞賛して退散。