ホテル・ルワンダの支配人が刑事役だった

クラッシュ [DVD]
上映当時は確か足しげく『誰も知らない』を見に行っていて、武蔵野館で同じ頃やっていた『クラッシュ』は予告編ばかりをよく見たのだけど、なんだか群像劇の押しつけという印象が強くてちょっと敬遠していた。
登場人物のかかわり合い、絡み合いという部分ではかなり見応えがあったけれど、正直、何か物足りなさを感じた。キャラクターの設定に違いはあっても、基本条件がほとんど一緒だったので、そこが気になったのかもしれない。つまり、皆が皆、ストーリーの最初ではなにかにいらだっていて、そして互いにぶつかりあって、いらだっているのが、やがて治る、という状態の変化。しかし、そんな簡単なものなのだろうか。
中盤は、衝突があって、それなりにスリリングな展開もあるものの、終盤に向かうにつれて、結局「治った」状態を見せるだけになるから、見ていて若干の努力が必要だった。カット編集や音楽の使い方、特殊効果は巧みだっただけに、ちょっと悔やまれる感じ。