壮大な選挙活動

http://www.nact.jp/kishokurokawa/
純粋にマケット(模型)や写真でこれまでの作品の美しさを見せればいいのに、文字情報がやたら前面に押し出されている野暮ったい展示。しかもそれぞれのパネルにフィーチャーされている文字量が20〜30字くらいという半端な多さ、そして無駄に大きく、個々の作品で結局何をやりたかったのかがよくわからなくなってしまいました。パネルに付記されている文章は徹底して黒川氏の「私」文体で、作品によっては「(私の)この建築が壊されて建築家某氏による建築計画が進んでいるらしい。なにごとだ!」とか、公私混同ぶりにかなりげんなりさせられました。
展示に思想の押しつけは必要なくて、そこには作品と作家の世界観、言葉を変えるならポリシーが伺い知れる程度が丁度いいような気がします。「ご自由にお持ちください」とあったのでカタログかと思って持ち帰ったらカレンダーだった小冊子の裏表紙が本人の顔写真だったり、結局全部をそういうエゴイスティックな活動に集約したいのかしら。といぶかしがりたくもなります。展示自体は1/21からでしたけどね。そもそも新美術館に行って展示見ておいてあれこれいうのもなんか違う気がしますけど。でもあれだけ都市計画ができる人なのにあの公約は何なのだ、とそれだけは言っておきたいです。知事になったらこれだけの首都にします、くらいの大風呂敷は広げられるはずなのになぜそれをやらないのか、それは本気じゃないからですよね。