塹壕におカクレになった氏神

『国際共同制作ダンス・プロジェクト [気配の探究] シリーズ 最終章 「森の祝祭」』
田中泯さん構成・演出の舞台を井の頭公園にて。本人の呼吸のスピード、舞踏のリズム感がそのまま作品のボリウムに反映されているのが如何ともしがたいところでしたが、練り上げられた独特の世界観=日本兵と相対する異国的キャラクター、その一方で世界の核に厳然と存在する「氏神」、それらが立ち居振る舞う空気を忠実に表現した音楽(灰野敬二)、等々の要素は確かに他の凡庸なパフォーマンスと一線を画していました。そもそも公園の一角に穴掘って無料で3日間も舞台をやろうっていう試み自体が素敵すぎます。仕込みとか一体どうしたんだろうとかそういうことばかり考えてしまいました。
ダンス白州で集めてきたのかどうなのかよく存じ上げませんが、女性のダンサー(1人除いてみな外国人)がそろいも揃って美形ぞろいで、なんというか、それも狙った上でのセレクションなのかな(「日本兵」との対比)とか思いつつ、海外から集めてくる事自体を売りにするのは愚の骨頂だよなーとなぜか反省してみたりするのでした。