トマソンの嵐


http://www.hatsu-koi.jp/
『初恋』@新宿武蔵野館
犯人が女性であるという設定に関しては、もしこれが実話だったらすごいよなあ…というのが正直なところでして、事件についてあまり詳しいことを知らないので何とも言えないところです。全体的には、先日見た『http://www.gaga.ne.jp/24hour/』と同じことがいえるのですが、とにかく徹底的に時代考証をやった上でそこに人間ドラマをどれだけのせるか(あるいはのせないか)という"メタドキュメンタリー"の範疇に入る作品で、ただこれは原作が一応フィクションなのでドキュメンタリーとはいえないかもしれませんが、町並みや建物の内装、登場人物の衣装や髪型はかなり当時の様子をうかがい知ることが出来たような気がします。
主役の女優のかたは、自ら名乗りを上げただけのことはあって、さすがに今まで見たいくつかのお芝居と比べてもキレがあり、また'60年代の衣装が大変よく似合っていてそれはそれでズルいのです。ただ惜しむらくは、周囲の役者さんが今ひとつ役不足だったような気がする為、もう少し力量のある若手/中堅の男性俳優さんを入れてあげることができれば作品として深みが増したかもしれないなということです。このタイトルの説得力が今ひとつ弱いように感じたのも、それと全く無関係ではないでしょう。