リヒター展@21c美術館

GERHARD RICHTER ゲルハルト・リヒター (DVD付)
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DR9とはまた違った意味でのインパクトでした。長いあいだ見たかった作品を実際にこの目で見ることが出来て、まるでパトラッシュ…じゃなくてネロの気分でした。(そういやあのときパトラッシュもいっしょに召されてたけど彼は本望だったんだろうかとか、いやどうでもいいんですが。彼も疲れてたんですかね。)
自然光をふんだんに取り入れるというあまり例のない21C美術館の展示スタイルは今までポジティブにしか映らなかったのですが、今回初めて疑問を持つに至りました。作品の配置場所によって光の入り方が規定され、ガラス作品の反射の具合や「8枚のグレイ」の雰囲気が独自性を持っているということを、美術館の方々(例えば「光の反射で偶然こういうぐあいに見えているんですよ…」とおだやかに話すスタッフ)や、それ以前に作者ご本人はどの程度認識されているのでしょうか。アブストラクトペインティング系は素晴らしかっただけにそれが少し気になりました。
それだけに思い起こされるのは、場所も巻き込んで作品づくりに取り組んでいったマシューバーニーの熱意ですね。昨日の深夜に世界文化賞の特番で建築家の谷口氏が「場所からアイデアをもらう」「その場所の雰囲気を作るのが建築の仕事」ということをいっていて、あくまで建築畑の方のお言葉なのですが自分としてはちょっと含蓄があるよなあと思いました。