赤い電車


世の中(厳密にいうと東京のくそったれな緻密ぶった情報化社会のしがらみ)からどんどん乖離していった先週末。PSJFプチプレもWPU8もレミゼもぜーんぶ伺えずに、数珠を持って母方の実家に2泊して、台風から逃げるように昨日夜にまた眠れない街トーキョーに帰って参りました。
  
実家近くにて。歩道と車道の間に50cmくらいの側溝があって、それが直線で7〜800m続いているのですが、中がお堀のように水が流れていて、よく見ると大量のコイが泳いでいて驚きました。ちょろちょろっとならともかく、やたらと多い。歩道を人が歩いていると、いっせいに口を開けて迫ってくるのがちょっとおぞましいくらいでした。
羽田空港から京急で帰りの電車を待っているときに妹と「京急の発車音を地方からきた人は珍しがり、また変だという人もいる」という話になりました。俗にドレミファインバータと言うらしいのですが、そんなことより昔は京急一本で実家に帰れたんだよなあとか、そちらのほうが感慨深かったりしました。
http://gogo-keikyu.jp/quruli/
帰ってきて夜中にF1見たりしたあとに(タクマのクルーがひどい仕事ぶりだったので途中で興ざめしました)、スペシャで「赤い電車」のPVが流れているところにばったり遭遇。(上のリンク先は京急のCMで、うちのmacでは見れないのですがどんな感じなのでしょうか。)PVは、走り続ける京急の車両先頭部分に取り付けたカメラからの映像が流れるだけで、途中の駅でメンバーがカメラのレンズをちょくちょく拭いたりするという内容。京急沿線に住んでいない人間が見たらなんてことは無いのかもしれませんが、正直いろんなことを思い出してしまい直視できない感じでした。ただの鉄道ビデオに近い映像なのになぜそうなるかはうまく説明できないのですが。相鉄も東横も駅が近かったのに、やっぱり京急が思い入れあったみたいです。おそらく。
で、そのあと昔のくるりのDVD(私製。クリストファーが入ったり抜けたりしてるあたりから微妙に感情移入できず、前のアルバムのあとは諸々買わなくなっている昨今。最近のシングルもあまり好きくない。先述の京急sgは別だけど)を引っ張りだして見てみました。演奏シーンを氷川丸の船内で撮ってる「青い空」のイかれた感じ(やっぱくるりはこの3人でないとなあと思わされる。あと最後に出てくる謎のコイは上の写真のコイにちょっと似ている)、「ハイウェイ」の淡々とした感じもすごく好きだけれど、やっぱり最終的に自分の背中を押すというか心の扉をたたくというかそういうビデオは「ばらの花」なんだよなあと。ちょっとあらっぽいカット割りのリズムと、それに相反するような微妙な色合いの青、あと絵画のようなシーンの連なり、あとコーラスですね。要は。結局そこに落ち着きます。


「雨の日と月曜日には誰の心も暗くなるってね、歌にある。」
「まったくだ。」
(『1973年のピンボール』)

滅入っていても仕方がないのですが『贅沢な骨』が無性に見たいのであとで借りに行ってきます。