off nibroll 「public = un+public」@bankart1929

  
映像の使い方は非常に勉強になりました。来場者への"見せ方"を考えたとき、あの魅惑的かつ神秘的な中世建築は、構造上非常に困難な問題を抱えてしまうのはもはや定説になりつつあるなあという印象を受けました。ダンスを(やはり)見慣れない自分にとっても、非常にわかりやすい内容でしたが(むしろそのあたりが批判される糸口になるのかもしれないけれど)、会場を「踊り手」が使い切っていたかというとそこはやはり疑問です。ただ、映像の迫力だけは圧倒的で、コンセプトやら何やらを全て覆い尽くして持ち去ってくれた感じでした。パブリック云々というより、そこにはアナログとデジタルの歴然たる違いを示されていたような気がしました。踊っている人間と、プロジェクターに映し出された動いている(踊っている)人間のどちらがアナログ(リアル)であるのか、一瞬、というかかなりの時間交錯してしまい、その「境界」はいったいどこにあるのか、よくわからなくなる。そんな感じでした。
  
1929を後ろに、ぶらりNYKへ。がらんとした2Fへ立ち入ると、突然「よろしければご芳名を」って、なにも展示してないギャラリーに名前は書けませんよ旦那(正確には女性だったのでなんかほだされつつ)、とか思いつつ署名して山下公園へ。どんなに歓待されてることかと思いきや、一番元町側の隅っこにぽつんとたたずむトリエンナーレ第一号作品。街を行く市民には軽く無視されてる印象だったのですが、どうなんでしょう。この秋に向けて不安感86%な小雨の日曜午後でした。