『PARIS,TEXAS』

パリ、テキサス [DVD]
昨日の深夜、衛星第2にて。数年前に通っていた映像系の専門学校で、「どんな映画を撮りたいですか」という講師からの質問に対して「『PARIS,TEXAS』のような映画を撮りたい」と非常に明快な答えを返した一人の生徒、近(こん)君、彼のことが頭の片隅に引っかかりながら、「やっぱせつねえなあ」とトラヴィスの男意気を最後まで味合う。正確には、その「近君」を頭ごなしに非難した学校のプロデューサー(新宿の某映画館の支配人で、近君を非難した数年後にはケラサン監督の80年代丸出しお馬鹿映画をこっそりプロデュースして大コケしたりしていた男)に向かって「こんないい映画を否定する人間がカネ持って日本映画を動かしているのが信じられんわ!!」と毒を吐きたい気分でした。当時その男は近君に向かって「あんな映画のどこがいいのか全く分からない」といった趣旨の発言をし、「あのような映画の手法では儲からない」というようなことまで言ったと記憶しています。モチベーションの矛先がどこに向かっているかで人間の価値観はここまで異なるのだなということですね。でも『1980』でその男は儲かってないと思いますし、その後彼が何をやっているかも分かりませんし、正直興味もありません。そんなこんなを思い出し、考えさせられた一本でした。