「vital」@K's cinema

本編の話する前に、「トニー」の話を。去年の東京何たら映画祭の試写で見たのですが、今日の予告編ですら、本編のときと同じ独特の張りつめた「空気」が。映像にというか、むしろ客の側にそれを感じました。静謐さというのはああいう映像のためにあるのだなあと思います。もう一度見たいなあと。
で、塚本監督の最新作は、浅野の存在感を存分に噛み締めたり、ダンサーとアクトレスのボーダーを考えたり、普段は三角形のテントの前で紅茶をいれてるモデル系の女の子が怖い顔をしてみたらいろんな意味で実は結構つぼだったりしました。監督の映画作りのシステムが非常に強固なものになっていて、つまりは自分でできることは基本的に全部自分でやって、できないこと(造形とか)はとことん他人にやらせてるさまが伝わってきて感心させられました。というのはエンドロール中の感想で、見てる間は「好きな人に解剖されたら本望やわ、自分」とかいろいろ考えてました。描いているテーマがシンプルで、かつメリハリがあって、わりと好きな感じの映画です。ただ最後のこっこはちょっと蛇足かなと。たしかにヒロインの人と似てましたが。