開かれた別れ

CNNの生中継でロナルド・レーガン国葬をじっくり見届ける。物心ついたときアメリカの大統領はレーガンで、日本は中曽根、ソ連ゴルバチョフ、すなわち冷戦構造が崩壊する数年前の状態であった。今日の大聖堂には中曽根はもちろんのこと、ブッシュ親子、クリントン、フォード、カーター、ブレア、ゴルバチョフ、そしてゴルビーの隣にはあのサッチャーが座っていて(カメラも何度か2人の2ショットを抜いていたのが)印象的だった。大聖堂の中に集まった面々を眺めるとそれはもはや奇跡的ですらあり、ゴア前副大統領もいればチェイニー、パウエルといったアメリカの要人はほとんど集まっている。CNNレポーターの「全て皆がつながりを持っているのです」という言葉にも説得力があった。
で肝心の国葬だが、たまにあこがれる「強いアメリカ像」というものを久しぶりに垣間見た気がして、でもそれはブッシュジュニアのしょぼい弔辞であっさり吹っ飛んだのでした。まあサミットでお疲れのところ草稿ペン入れもやったらしいからよしとしますか。少なくとも話し口調では人間の器としては父親の方が上だったのかなという気がしました。結果論ですが。
ナンシー夫人の、表情をほとんど変えない気丈な姿がとても印象的でした。そして何よりも、年はよく分からないけれど、とても若く見える。つまり美しい。夫を本当に愛し、一生支え続けていた人は、誰よりも生き生きと輝いているように見えました。もちろん、その輝きは夫あってのものなのかもしれませんが。