over the noize

陳腐なタイトルだ。
某所にてUAの今度のPVのメイキングというか正確にはラッシュを見る。砂丘で巻き上がる暴風の音をひたすら拾うマイク、ひたすら無神経にキープされたアンプのボリューム。聴覚をこちらでカットしてひたすら絵面に集中する。例によって民族主義の一枚布が裁断機にかかったようなシンプルな衣装で砂漠を歩く彼女の様子は、まるでフィリップ・ガレル『内なる傷痕』を想起せずにはいられない。その後彼女が巣のようなセットの中で歌う場面、ピアノのそばで歌う場面、そして最後に見た水辺での撮影シーンが形作られていく様子をとらえた映像はまさに『ワン・プラス・ワン』のラストシーン("私は放棄した"〜からクレーンが上がっていくくだり)にダブって見えた。できあがりはまあ、あまり期待しないで待ちたい。
続いて手塚眞監督『シンクロニシティ』の予告編。とおぼしき何か代物。映画の内容はよく知りませんがこれはひどかった。ひとつだけ、DJ役の人はお願いだから事前に役作りでクラブに来るとかもしくは馴染みのある人にしてください。嘘くささが充満していて目も当てられない。見た目だけカリスマっぽければいいというわけはないのです。美容師と同じ。